[はじめに]

トイトイトイ(toi toi toi)という、ちょっとした動作があるらしい。
「大丈夫だよ、うまくいくよ」という、応援の意味がこめられた動作らしい。ちなみに、ドイツのものらしい。

いいねえ、応援。やってもらったら、そりゃ嬉しいよね。
私も、この応援をやってもらいたいらしい...いや!! やってもらいたい。一人でいるときでも、だ!!

...シンプルに、それが今回の出発点なのだが、まずtoi toi toiの内容について説明しよう。


[toi toi toiとは]

toi toi toiとは何ぞや? ...toi toi toiというリズムに合わせて、机をグーで3回叩く動作だ。


これが、toi toi toiだ

所要時間にして、約1.5秒だ。
なんとも手軽にできる応援ではないか。
チアガールや学ラン応援団や吹奏楽団、メガホンや旗などを使った応援ももちろん素晴らしい。だが、実行のハードルの低さでは、toi toi toiは最強ではなかろうか。だって、たった1.5秒で終わるんですぜ。そして、誰でもできる。必要なものも、机だけ、ときたもんだ。


toi toi toiのいいところを表にしてみた (チアガール写真出典:ぱくたそ)

というわけで、だ。
まずは、一人でいるときでも、そばで「toi toi toi」をやってくれるマシンを作ってみた。
実現手段は、ウッドブロック自動演奏機「カンコン」に引き続き、レゴだ。


[いきなり完成形]

まずは、ここまで作ってみた。
自動toi toi toiマシーン、略して、トイちゃん、だ。ようこそ我が家へ、トイちゃん!


toi toi toiで応援してくれる、トイちゃん


動画版(音が出ます)


モーターで棒を上げ下げする動作を、3回やることで、toi toi toi実現

いざ動いているところをみると、何かに似ている感じもする。何だったかな。
デジャヴー、既視感というやつか。
まあ、使っているうちに思い出せるだろう。楽観的にいこう。


[まずはtoi toi toiをやってもらう]

まずは、在宅勤務中ずーっと、toi toi toiをやってもらうことにする。
スイッチオン。toi toi toi、toi toi toi、...
...ごめん!! ちょっとうるさい!!
たった4回目でもう限界!! せっかちな私を許してくれっ!!! 思わず「シーッ」と言いたくなるっ!!!


きつい言い方になってしまった、ごめんよトイちゃん。悪気は無いんだ。ただ、ずーっとじわじわtoi toi toiされるときついんだ。あと、電話したり会議したりもするからね。


ごめん!!! ずっとされるときつい。


4回目のtoi toi toiでもう限界、シーッと言いたくなる (このあとすぐに電源を切りました)


そして、何に似ているかを思い出したぞ。あの、太鼓を叩く熊のおもちゃだ。
デジャヴー、一件落着なり〜!!
イワヤ株式会社さんによるロングセラー商品、こぐまのトンピーである。


こぐまのトンピー(イワヤ株式会社さん)


私が見覚えがある動くさまは、いわゆる3・3・7拍子で太鼓とホイッスルを繰り返すというものだが、最近の動作は異なるようだ。下記youtubeのように、太鼓のテンポはかなり速い。カンカン...というよりは、カカカカカ...!!ではないか。あと、ホイッスルは7回から6回に変更となっている。


最近のこぐまのトンピーの動作(かなり速いぞ)

トンピー動画をみて、在宅勤務中にカカカカカカとかやられるとちょっとうるさそう...などとつい考えてしまった。だがトンピーは、そもそも、在宅勤務中に動かすことを想定してはいない。うるさそう、などと評しちゃだめだ。
一方で、トイちゃんは、在宅勤務中に動いてもらいたいんだ。一人でずっと仕事と格闘しているとどうしても気が滅入ることもある、そんなとき、toi toi toiと応援を送ってくれたなら、どんなにいいだろう! これは譲れない。

デジャヴーが一件落着した今こそ、在宅勤務中のうるさい問題について、一件落着を試みようではないか。


[変形その1:距離センサーと組み合わせ]

まず思いつくのは、距離センサーに手を近づけたときだけ、「toi toi toi」をやってくれるというもの。
ウッドブロック自動演奏機「カンコン」と同じ方式だ。


距離センサーつきトイちゃん



距離センサーに手を近づけた時だけ、toi toi toiをやってくれる


距離センサー方式、思った以上に心地よい! 会議の司会をこれから務めるときや、集中して資料を作らなきゃいかんとき、手を近づけると「toi toi toi」してくれると、やっぱり嬉しいよ。一人でいるときも、トイちゃんが、「大丈夫、きっとうまくいくよ」と背中を押してくれる。
やっぱり何事も、タイミングなんだろうね。応援もそう。


[変形その2:音声センサーと組み合わせ]

音のセンサー、この場合はパソコンのマイクで拾った音の大きさに反応して、toi toi toiをやってくれる。
これも、距離センサー方式同様、欲しいと思ったときに発動可能だ。


大きな音に反応してtoi toi toiをしてくれる (私自身のtoi toi toiの音でもよい!)

音は、大きい音であれば何でもよい。声でも物音でもOK。
私自身がtoi toi toiをやったその音に反応して、toi toi toiを返してくれる、という技もできる。いわば、toi toi toiのやまびこだ。
応援されるだけでなく、自分も応援するがわになる、ということか。悟ったぞ。
大切な会議の前に、まずは自分から、toi toi toiする。そして、トイちゃんは、応援を返してくれる。
今度は俺が!の精神だ。人生とはそういうもの。大切なことをトイちゃんに教わったのだった。


[変形その3:時間間隔を長くする]

仕事中ずーっとtoi toi toiされたらさすがにうるさい、ならば、たまにだけやればよい。シンプル イズ ベスト。
toi toi toiを、15分に1回に設定した。いわば、鳩時計みたいなものだが、1時間に1回だとちょっと少ないかなと思ったので15分にしたのだ。
そろそろ、長時間、稼働させてみようではないか。ということで、2022年7月某日、朝の在宅勤務開始時から稼働開始した。


15分に1回、toi toi toiしてくれる

時系列順に、各回のtoi toi toi状況をまとめてみた。

通算回数toi toi toiしてくれた時刻
(聞き逃した時刻は赤表記)
そのとき、何が起きたか
109:01ちょっとびっくりした!! だって、すぐそばで急に動き出すし!!
209:16何と、2回目にしてもう聞き逃し。損した気分だ。洗濯物を乾燥機に入れるために少し席をたってしまったためだ。
309:311回目よりは驚かなくなっている自分が、そこにいる。
409:46特に驚かない。
510:01会議資料作りで結構てんぱっていたこともあり、あまり耳を傾けられなかった。ごめん。
610:162回目の聞き逃し...。別室に移動していたためだ。
710:31今度はちゃんと聞こえたよ。
810:46何回も聞いてきたので、かなり慣れてきた。驚かなくなっている。
911:013回目の聞き逃し...。
1011:16後輩と電話中にはじめてのtoi toi toi発動。後輩は特に聞こえなかったのか、「何の音?」のような質問は一切なし。
1111:31慣れてきた。
1211:46慣れてきたよ。うん。
1312:01特に何も感じなくなってきている。
1412:16ひたすら仕事はつづくよ、どこまでも。
1512:31仕事の中、聞こえるはtoi toi toiなり。
1612:46はじめての、テレビ会議中のtoi toi toi発動だ。20人くらい参加していたが、特に「何の音ですか?」などの質問はなし。
1713:01少し休んでいたら、聞き逃してしまった。4回目だ。慣れてきたが、聞き逃すとそれはそれで損した気分になる。
1813:16聞こえたよ、うん。応援をありがとう、トイちゃん。
1913:31と思ったら、また聞き逃してしまった。5回目。
2013:46この時間帯にやたら慌ただしく、聞こえたんだけど気もそぞろだった。ごめんよトイちゃん。
2114:01遅い昼ごはんを別室で食べているところだったが、小さい音だけどしっかり聞こえたよ!! その応援、しかと届きました。
2214:16聞こえました。
2314:31聞こえたよ。
2414:46うん、聞こえた。
2515:01やたら忙しいタイミングだけど聞こえた。
-(15:16以降)あれっ、聞こえてこないと思ったら...電池切れでした...。
Bluetoothでずっとつなぎ続けるって結構電池を喰うと思われる。
わかったこと、その1。
会議中や電話中のtoi toi toiは、ちっともうるさくなんか無いよ。全然アリだよ、これ。
だって、在宅勤務中の電話中や会議中に、宅急便が来てピンポーンと鳴ることだってある。通話相手に明らかに聞こえるくらいのボリュームで、だ。「ピンポン鳴ってるよ、出なくて大丈夫?」ということになるし、一時離席を要することもある。
トイちゃんのtoi toi toiは、ピンポーンの音よりは小さいし、一時離席も不要だ。
いいぞ、トイちゃん!! 胸を張って、在宅勤務中のtoi toi toiをお願いします。

(実は、実験前、会議中や電話中の発動するとうるさくならないか、少し気になっていたんだ...。疑ってごめんよトイちゃん。)


会議中や電話中にうるさくないか疑ってしまいましたことを、深くお詫び申し上げます。

わかったこと、その2。
仕事に集中している際に急にtoi toi toiされる、これも、それほどうるさいとは感じなかったことだ。
12:31や13:46のときみたいに集中していると、「ああ、15分経ったのね」くらいにしか感じなくなるのだ。
うるさいと感じないくらい、集中して仕事に取り組みなさい、うるさいと感じるならばそれは集中できてない証拠だよ...ということかもしれない。それがまぁまぁできていたということだろうか。できていたことにしよう。

わかったこと、その3。
聞き逃すと、損した気分、そしてちょっとした罪悪感が芽生える、ということだ。
toi toi toiしてもらうことにどんどん慣れていく、これは想定していた。だが、慣れれば慣れるほど、聞き逃したときの「あ〜損した〜」気分が強くなっていったように思う。
そして、聞き逃したということは、そのとき野暮用などで別室にいくなどしてしまっていたわけだ。今回は25回中20回聞けて5回聞き逃した。野暮用などで別室に行くなどし、2割、取りこぼしてしまったわけだ。だめじゃん、私。集中できているようでできていなかったということだ。
打率10割を目指そう。これにより、損な気分にならずに済むし、そして、おのずと、野暮用などでの別室移動を減らせるだろう。より在宅勤務に集中できるだろう。


[まとめ]

toi toi toiをやってくれる、トイちゃん。
そのまま使うとちょっとうるさいけど、センサーと組み合わせたり、時間間隔を長くすることで、在宅勤務のおともとして大いに活躍してくれることがわかった。
一番の収穫は、会議中や電話中にtoi toi toiがあっても、うるさいとは感じないとわかったことだ。toi toi toiのメリットである、手軽さ、短さがなせるわざだろう。
あと、応援しあうのもいい。応援されると嬉しいが応援するのも嬉しい、「今度は俺が!」精神を再確認することができた。そして、toi toi toiを聞き逃すまいとすることで、在宅勤務中の集中力向上にも繋がるだろう、きっと。

トイちゃん、ありがとう。これからも、「大丈夫、きっとうまくいく」と、私の背中を押しておくれ!!


背中を押しておくれ、頼むよトイちゃん


[おまけ]

実は、toi toi toi のことを歌った、歌がある。
題名はそのまま「toi toi toi」だ。Eテレの番組「0655」でたまに放送されている。
私がtoi toi toiの存在を知ったのも、この歌からだ。
曲の中で、何度も、歌声に合わせて「toi toi toi」の机を叩く音が出てくる。
(動画をここで紹介できないのが残念...)

toi toi toiの歌に出てくる、机を叩く音を、トイちゃんに出してもらって、ちょっとだけ合奏を試みた。


トイちゃんと合奏してみた

結果。なかなかタイミング合わせるのが難しい。

リズムの1,2,3,4拍目でトイちゃんのLED色を変えるようにし、ピアノがそれに合わせる方式とした。
だが、LED色切り替わりタイミングと、机を叩くタイミングとが、どうしてもばらつきがあるようだ。


リズムの1,2,3,4拍目にあわせて変わるトイちゃんのLED色に、ピアノがタイミングを合わせる

理由はおそらく、モーターで棒を3回上げ下げする際、いつも同じ位置に帰ってくるわけではないことだろう。
拡大gifを下記のとおり再掲するが、帰ってくる位置は毎回同じではない。このばらつきが、LED色切り替わりタイミングと、机を叩くタイミングのばらつきになっていると推測する。厳密に回転数を制御できるようなモーターなどをひっさげて、いつか「合奏向きのトイちゃん」に改良したいものである。

【再掲】モーターで棒を上げ下げする動作を、3回やることで、toi toi toi実現

戻る