写真というと、今でこそスマホで撮るのが当たり前だけど、昔はフイルムを使っていた。
写真屋さんにネガフィルムを持って行って、現像をお願いする。このネガフィルム、色や明るさが反転している「ネガポジ反転」がなかなか楽しかった覚えがある。白いものが黒く見え(その逆も)、赤いものが水色っぽく見える(その逆も)、など。

そういえば、このネガポジ反転って、映像の演出にも使われる。昔、「投稿!特ホウ王国」という番組があって、「そのとき、特派員がみたものは?!」の瞬間に、こうなるんだった。


そのとき、特派員がみたものは?! (ドーンと効果音が鳴り、写真左から写真右のようにネガポジ反転)


このネガポジ反転は、色も明るさも全部反転する。明るさの反転に伴い、白は黒に、黒は白になる。色の反転に伴い、赤は濃い水色になる。
ここでふと思った。
明るさは変えないまま、色だけ反転するとどういう感じだろうか? いくつかネットで検索してみたが、ネガポジ反転の面白画像はざくざく見つかるけれども、明るさは変えずに色だけというのがほとんど無いようだ。
よし、まずはさっきの写真で試してみよう。そのとき、特派員がみたものは?!


試しに色だけ反転してみた


...うーん、気持ち悪い。(笑) 顔面蒼白だ。宇宙戦艦ヤマトのデスラー総統みたいだ。(古い) あるいは、ジェームス・キャメロン監督の映画「アバター」みたいだ。
黒い髪の毛や、灰色の服などはほぼそのままに、肌が青緑というのが怖い。

ネガポジ反転は、黒い髪が白になるなど、画面全体で変化が極めて大きい。現実にはありえないほどの変化だ。そのために、いわば心の準備ができる気がする。ああ、これは映像効果ね、面白いね、と。
そこへいくと、「色だけ反転」は、一見ふつうの画像の箇所があり、リアルさを保っていながら、明らかに不自然な色が目に飛び込んでくる。これが怖いのだと思う。

ほかの写真だとどんな印象だろう。手持ちの写真で調べてみる。
かつて四国八十八箇所歩き遍路で写真を多く撮ったので、そこからピックアップしてみた。


まずは、青空、青い海、緑の山が映った写真から。うわあ、血の池地獄だ。(汗) そして山は藤の花が満開?!
白い船がほぼそのままということもあり、なんとも不気味である。


藤の花の中に、エメラルド色の花。


一方で、鮮やかな色がほとんどない写真だと、こんなにも、変わらない。


青空は、なんというかセピア色。単純にセピア写真にしたような感じ。
100年前の写真と言われても信じてしまうかも。


青空だけセピア写真になり、藤かラベンダーの花が満開。ここは北海道?! (本当は高知県の四万十川です)


セピア写真のようでいて、全然違う。自販機が眩しい!!(笑)


夕焼けは、青空になっちゃう。曇り空が終わって、向こうから青空が見えてきたような写真、これはこれでいい感じ。


紅葉の落ち葉が、みーんなエメラルド色です!! こんな落ち葉があったら欲しい!!(笑)


この写真で試してみて、あることに気づきました。皆様は気づかれましたでしょうか...?

そうです、赤信号が青信号になってしまっています。
「色だけ反転するメガネ!」といってこの「色だけ反転」を商品化するのは、多分無理だろうな。赤信号を青信号と誤認したら大変である。

ほかにも、手持ちの写真のうち思いつくものでやってみた。


石垣島の、澄んだ色の海は、血の池地獄にはならないようである。
中央の、藤が満開のひょうたん島がなければ、セピア写真と見間違えるほどである。


一方で、北海道にあるこの「青い池」の反転結果がすごかった。禍々しいほどの血の池ぶりである。
ひょっとすると、血の池ではなく、溶岩かもしれない。炎の呪文を使う敵がでてきそうだ。


待てよ、藤やラベンダーの花みたいと言ってきたけど、まさにラベンダーの花を色だけ反転したら?
...と思ってやってみたのがこれ。北海道のラベンダー畑が、緑の草むらになりました。


満開の桜の花は、なんともクールなお姿に。これはこれで綺麗。
植物にはあまり詳しく無いのだが、こんな花を見たことがある。名前が思い出せない...。

待てよ、人の姿がどんな感じになるかは、自分でしか試していなかった。肌の白い人や黒い人はどうなるかな?
白人や黒人の身近なお友達は残念ながらいないし、いたとしても色反転して公開してしまうわけにはいかないので(汗)、フリー素材をあたってみる


やはり黒人さんは、影響が少ない模様。ちょっと青い光が当たっているくらいしか変化がない。
一方で、ほかの4人は、見事な青。あと、金髪は白髪になるのね。
モデルのみなさま、こんなことに使ってしまってごめんなさい...。


一方で、デスラー総統。けっこう古い作品ということもあり、知らないかたもいるかもと思ったのでやってみた。
わあ、完全に別のキャラ。おだやかな印象。地球人...ですよね?!(画像引用元)


青い顔を反転させると地球人? じゃあ、ブルーマンはどうなるのかな?!
と思いついて、やってみた。(画像はWikipediaより引用) うーん、黄色い。
さっきのデスラー総統は元の青が薄かったけど、このブルーマンは濃いためか、反転させても黄色が強いのかも。
それにしても、胴体の黒はほとんど変わらないように見える。


青い顔は試してみたので、青系統以外の顔といったら何だろう。いろいろあるけどやはり、
国民的人気漫画のこの人(?)が代表格ではないだろうか。(画像引用元)
色反転した紫だと、うーん、おっかなさが減るような。紫でも確かにグロテスクさがあるけども。
あと肌以外にも、バックのセピア色の空と、褐色の衣装が、おっかなさを減らしているのかも。
おっかなさを増すためにはどんな色のコーディネートがよいかな...って、スタイリストみたいだな。(笑)
(ピッコロ大魔王のスタイリストって、少しでも気に食わなければ即消されるんだろうな...。絶対やりたくない)

それにしても、実写でないもので色反転をやってみると、ドラクエなどの「色違い敵キャラ」のようである。(笑)

まとめ。色を反転してみての、特派員がみたものは?!

明るさを変えずに色だけ反転させた世界は、なかなか不気味で、強烈な違和感がある。(逆に緊張感が薄れたり、ほとんど変わらないときもあるけどね)
なぜ、こうした感覚を抱きやすいのか? やはり、明るいものは明るいまま、暗いものは暗いまま、そして白色・灰色・黒色をほとんど変えないまま、色だけを反転するからだろう。一見すると違和感が無いようでいて次の瞬間に「なんじゃこりゃ」が襲ってくるのだ。これこそが、明るさまで逆転させるゆえ「初めから違和感バリバリで攻めてくる」ネガポジ変換との相違だと思う。
個人的には、青空がセピア色の黄昏た感じになるのがちょっと意外であった。あと、青信号と赤信号が逆になってしまうのは大変。

あと、人の肌や有名キャラクターなど、色の情報がすりこまれていればいるほど、この「色だけ反転」は意外性があって面白いのだろうと思う。
今回は実写および有名キャラクターだけだった。しかし、色の情報が私たちの頭にすりこまれているものは、ほかにもある。
企業ロゴとかはどうだろう(引用元)。国旗とかはどうだろう(引用元)。日の丸は、白地に、水色の丸がど真ん中にくる国旗になる!!
さらに、静止画だけじゃなくて、動画像でこれをやってみたらどうなるだろう。
面白そうではあるが今回はここで擱筆。

なお、今回は色の反転ということで「180°まわす」だったが、ほかの角度でまわすこともできる。
45°刻みで回転させてみた例は下記。角度を調整すれば、あなたも立派な、ピッコロ大魔王やブルーマンだ!(笑) 誰得。


色を45°刻みで回転させる

(ちなみに、手に持っているのはマイクではなく、100円ショップの懐中電灯です(笑))

(今回もちいた方法:PhotoShop Elementsにおいて、「画質調整」→「カラー」→「色相・彩度」と進み、赤矢印のように色相を180にする)


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